Beautiful morning with you.<キミを探して>
定時が過ぎ、帰り支度を始めているいずみの元へ近寄り、俺は食事に誘った。
モヤモヤした不安を拭いきれず、食事をしながら確認しようと思ったのだ。
「なあ、いずみ。食事でもどうだい?」
「えっ、でも・・・」
いずみは少し躊躇していた。
「いいだろ。ほらっ、相談したいことあるって言っていたし・・・」
「うん・・・」
いずみは少し戸惑い気味に返事した。
やはり、何かおかしい。いつもなら「ホントっ!?いくいく、いきたーい!」と喜んで返事するのだが・・・いったい、どういう事なのだろうか。

いずみと共に会社を出た俺は、新宿にあるイタリア料理店へとやってきた。
「なあ、いずみ。なにかあったのか?」
パスタをなれない手つきで食べていた、いずみは「どうして?」と顔を上げた。
「だって・・・」
やはり、いずみは何処かおかしかった。
ここまで来る途中、それとない世間話をするのだが、妙によそよそしく曖昧な返事をするだけだし、ちっとも楽しそうな顔をしない。それに、この店にきたのはもう三度目だというのに、始めてきたかのように、さっきから店内をキョロキョロと見回し、落ち着きがない。
もはや違和感や、ちょっとした思い違い・・・とは思えない。
「昨日、課長に会ってたんだって」
俺はズバリ切り出した。
「えっ、あっ・・・」いずみは否定せず、フォークをテーブルに置くと、下を俯いて黙ってしまった。
「何を相談してたんだ?」
「それは・・・」といずみ。
「まさか、結婚がイヤになったんじゃないだろうな」
「そんなこと、・・・そんなことない、わ。ただちょっと相談があったから」
「どんな?」
「言えない、わ」
いずみは下を俯いたまま、言った。
やはり何かあるようだ。だが課長に相談できて、俺にできない相談事とはいったいなんなんだろう。
「・・・信じていいんだろうな」
そう尋ねると、いずみはしばらく黙った後「ええ」と短く答えた。
いずみの様子は何処かおかしかった。
これがマリッジブルーというヤツなのだろうか。
まるで別人のような対応をしてみせる、いずみの事はどうも気掛かりだ。
だが、これから一緒に生活していく相手を信じられないで、どうする。
そうだ、時が来たらいつか話してくれるだろう。
俺は、いずみを信じるしかないのだ。


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店を出るが、酔ったせいか、エッチしたい気分になる。

今日のところは、家路につく。