Beautiful morning with you.<キミを探して>
結婚式まで、まだ時間はある。
俺は、その残り時間にかけることにした。
課長といずみは会社を休み、二人で元に戻る方法を探し、俺は結婚式に向けて準備を進め、夜は二人が元に戻れるよう努力した。そして・・・

     *

結婚式当日が来た。
新婦控室に入ると、純白のクラシカルドレスを身にまとった、俺の花嫁がメイクの真っ最中だった。
「はい、出来ました」
式場の人がメイクを終え立ち上がると、いずみのお母さんや姉さんが「まあ、奇麗」と褒め称えていた。確かに奇麗だった。頭にのせたティアラやドレスの表面に配置されたパールが天井からの光を受け、花嫁を輝かせていた。
「あら、昌信さん」
入り口に立つ、俺に気がついたのか、いずみの家族は部屋から退室する。
いずみのお父さんは、ポンと俺の肩を叩き「いずみを頼んだぞ」と言い残した。
「・・・」
そして、部屋に残された俺は、自分の花嫁の前へと歩み寄った。
美しい花嫁は、俺の顔を見上げた。俺は手にしていた白い手袋をギュッと握りしめ、コクッと頷いた。そして純白の手袋に包まれた花嫁の手をとり、二人で歩き出した。

<おしまい>


あとがき